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思い出に変える作業

祖父の四十九日の法要を手伝うため、九州に向かった。
葬式のときとくらべて、祖母の顔色がだいぶよくなっていたので、少し安心した。

祖母の家で、生前の祖父が映ったビデオを見せてもらった。
ひ孫を抱いてあやす祖父。
「にぎメシがいちばんうまか~」といいながら、おむすびをほうばる祖父。
そういえば、祖父の口癖は、「○○がいちばんうまか」であった。
大好物のビールを飲んでも、父が持ってきたみかんを食べても、母が作った煮物を食べても、そういってにこにこしておったな……。
そして、孫の結婚式で都都逸(どどいつ)を歌う祖父。
だいぶお酒を飲んだ様子の祖父は、壇上に上がってマイクを掴んだ途端、耳に当てて「もしもーし!」とのたまった。
とてもかわいくて、おかしかった。やるな、と思った。
ひとしきりボケたあと、ものすごい声量でもって都都逸を歌い上げるのを聴いて、びっくりした。
祖父にこんな特技があったなんて、知らなかった――。

ふと、かたわらに座る祖母に目をやると、しわくちゃのハンカチを目蓋にあてている。
納骨の時期をお盆まで延ばした祖母は、もう少し一緒にいたいといって、寂しく笑うのであった。
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井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

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