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失敗

バイト先のラウンジにて、おしぼりを渡すために近づいたわしの足の間に膝を挟もうとし、「ねえちゃん、トイレに行って今からやろか」と言ってにちゃりと笑った客に対して、わしは馬鹿にしきった表情を返したらしく、相手に「かけたろか」と言われた。
「このコップに入った水割りをかけて差し上げましょうか?」という意味の、どっかで聞いたことあるような脅し文句である。
しかしその瞬間、ギャンブル色に染まったわしの脳内変換キーは「賭けたろか」と言われたんやと思い込み、「え、なにを賭けるんですか?」ととぼけた返答をしてもうた。
なんちゅうアホや。われながら。
さて、このとぼけっぷりがさらに客の逆鱗に触れ、「おまえ、ただのホステスのくせに、喧嘩売っとんのか。俺を馬鹿にするな。そんな安い客ちゃうぞ。昔、俺は祇園で水商売やっとったんや、舐めるなよ! ホンマにかけたるぞ!!」といった罵詈雑言を誘発し、裏でつまみを作っていたチーママが飛び出してきた。
必死でとりなすチーママに心の中で謝りながらも、かけるならかけろという気分で、他の女の子と代わりなさい、というチーママの耳打ちを断りつつ、やけに好戦的な気持ちになり、もうクビになってもいいわ、表へ出てもらおう――と思ったそのとき、日頃から贔屓にしてもらっているお客さんたちが店に入ってきて、わしは自然に席を移った。
「今日はええことがあったんや」と言って笑うお客さんの言葉に、わしはなんだか救われたような気がした。多謝である。

最近のわしは、感情がそのまま顔に出るようになってきている。
自分を抑えることができなくては、ホステスをやっていくのは難しいのではないだろうか。
いや、どんな仕事においても「顔で笑って心で泣いて」な部分はあるのだろうが、わしは心のどこかで「本意じゃない」と感じながら働いているから、客にとって鼻につくプライドや自意識が、ときとしてはみ出てしまうのだと思う。
これは客や同僚に対して、甚だ失礼なことである。
って、長々と、なにを言っているのだろうわしは。
まだやめるわけにはいかん。
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プロフィール

井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

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