Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

戻りたい?

最近、小学生の頃のことをよく思い出す。
理由を考えると、すぐわかった。
住んでいるアパートの向かいが小学校なのだ。
お日さまが高いうちはあまり外出しないし、窓を開けない(開けると破れた網戸の隙間から虫が入ってくる)から、登下校中の小学生に出会うことは少ないが、ブラスバンド部の演奏や、校庭で遊ぶ生徒達のはしゃいだ声は聴こえてくる。
これが、昼間のとろとろしたまどろみにマッチしてなんとも心地よい。
向かいといっても、道路と田んぼ(目の前が田んぼだから虫が多い)を挟んでいるから、うるさすぎず、調度いいボリュームで耳を撫でてくれる。

さっき、ブラスバンド部が奏でる「コンドルが飛んでいく」を聴くともなしに聴いていると、いつのまにか涙が出ていた。
あの頃はなんの悩みもなかった、とは思わない。習字の時間に硯をひっくり返して床を墨汁まみれにしたことや、自転車の2人乗りができないことなんかを気に病んだり、子供なりに人間関係を煩わしく思うこともあった。今、誰かに「お前を小学生に戻してやろうか」といわれたとしたら。わしは「いいです」と答えるだろう。それよりこないだの日曜日に戻して、福島牝馬ステークスの当たり馬券を買わせてください、とお願いする。たしかに小学校は楽しいこともたくさんあったし、今よりずっと能天気でいられたけど、大人になって覚えた自由の味が体に染み込んでいるから、もう引き返すことはできないな、と思う。なのに、なぜ泣いているんだろう。
わしは鼻水をすすりながら考えた。
すると、お腹がぐうと鳴った。
わかった。わしは「小学生に戻りたい」のではなくて「小学校に忍び込みたい」んだ。忍び込んで、給食をたらふく食べたいよ~。空腹の涙はしょっぱかった。
スポンサーサイト
  • @

Appendix

井上オークスの著書

プロフィール

井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

月別アーカイブ

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。