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仇討ち

今週のバイトは木曜だけなので、のんびり過ごす。
はずだったのだが、1日に2匹の蜂と格闘することになった。
一週間干しっぱなしにしていた洗濯物を取り込み、部屋に戻ってフウッとひと息。茶を啜っていると、取り込んだパンツに蜜蜂がくっついているではないか。パニック。
刺されるかもしれない恐怖に勝てず、古新聞を使って殺した。
その2時間後。横たわって本を読んでいると、ブ~ンという音がする。
携帯を常時マナーモードにしているから、着信時の振動音か? でも、それにしては長く続く……と思ったその瞬間、体長4センチほどの蜂が目の前をギュインと横切った。戦慄。
蜂の種類はわからないが、とにかくバカでかい。こんなのに刺されたら命が危ない。
わしは丸めた新聞紙を泣きながら振り回し、部屋を飛び回る蜂を叩こうとした。
しかし蜂は巨大かつ俊敏で、新聞紙は空を切るばかりだ。
こっちも飛び道具で立ち向かわなければ。
でも、殺虫剤がない。
なにかなにかなにか……ブーツ用の消臭剤を発見。これでいこう。
というわけで、蛍光灯の周りをぐるぐる回っている蜂に思いきり吹きかける。シュー。
すると、蜂はだんだん弱ってきたようで、動きが鈍くなった。そして、蛍光灯にバチンバチンとぶつかりはじめた。時折火花が散る。
玄関のドアを開いて体を半分外に出し(怖いから)、錯乱した蜂を眺めながら、わしは思った。
――なんて酷いことをしているんだろう。
一匹は殺してしまった。もう一匹には、蛇の生殺しのようなことをしている。ただ生きているだけの蜂の命を終わらせる権利が、わしにあるのか。
でも、部屋に蜂がいる限り安息は訪れない。どうしよう……。
ダメモトで、蛍光灯の傘の上に止まっている蜂に、傘(アンブレラのほう)を差し出してみる。
そして強く念じる。仲間を殺したのを怒ってるの? ホントごめんよ。もう痛めつけたりしないから、どうかこの傘の先に止まってね。そしたら外に出すから。
いま思えばかなりアレな思考&行動だが、小一時間に渡る蜂との格闘が精神疲労をもたらしていたんだろう。
蜂はこちらに体を向け、わしの顔をじろりと見た(ように見えた)。そしてよろよろと、差し出した傘の先に止まってくれた。わしはそろりと反転して、外に出した傘を振った。
蜂が飛んでいったのを確認して、玄関のドアをあわてて閉めたわしは、ドアの下部でかかとをずるりと擦りむいた。
殺生は極力避けようと思った。
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井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

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