Entries

スポンサーサイト

上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。

止まり木ブルースとコスモバルク

塩崎利雄さんの『止まり木ブルース2004』を読み返している。
「日刊ゲンダイ」で20年に渡って連載されている馬券小説の、2004年分をまとめた一冊だ。
貧乏及び貧乏性のわしは、新刊本はほとんど買わない。本はもっぱら古本屋で仕入れる。なのになぜ4月に発売されたこの本が手元にあるかというと、スポーツ雑誌の『Number』で書評を書かせていただいたからだ。
編集部から届いた本。裏表紙についた値段(1500円)を見て、もうけたぜ! と思った。
あ、でも、「この本はあなたにプレゼントします」とはいわれてないな……。返したほうがいいのかな。
まあいっか(いいのか?)。

書評を書くのは初めてだった。
「もうけた」のはさておき、どう読めばいいのか、どう書けばいいのかと、オドオドしながらページを開いた。
が、読了後の気分は晴れやかだった。
めちゃめちゃ面白かったのだ。
この読後感に身を任せて書こう。という答えが自然と出ていた。

ジャパンカップ(JC)を振り返ったくだりが特に好きで、何度も読んでいる。
昨年のJC。直線で脚色が鈍ったコスモバルクを、ポリシーメイカーが交わして半馬身ほど前に出た。
すでに楽勝ムードであったゼンノロブロイとコスモバルクの馬連に、15万突っ込んでいた主人公の健坊は悲痛な叫び声を上げた。
ところが。コスモバルクは差し返したのだ。
1着ゼンノロブロイ。2着コスモバルク。
健坊は、156万円の払い戻しを手にした。
――未勝利戦ならいざ知らず、GIレースでのこんな大逆転劇は、30年近い健坊の馬券人生でもなかったまさに奇跡のドンデン返し。(本文より引用)
わしはJCを観て、「バルクはすげえ!」と心を震わせた。
が、長年かつ確かな目でレースを見ている人にとっては、「ほお~」くらいのものかも、なんてことも考えた。
だから、「極道記者」と呼ばれ、競馬に馬券に何十年も心血を注いできたであろう塩崎さんが、コスモバルクの走りを「奇跡のドンデン返し」と表していることが嬉しかった。

今週の土曜日、香港で行われるGIチャンピオンズマイルにコスモバルクが出走する。
デビューから17連勝中の地元馬・サイレントウィットネスは手強い。が、バルクの闘志に火が点けば……。
今週末の日本の競馬はGIの谷間となるが、コスモバルクが異国の地から、胸膨らむ週末を届けてくれる。
彼に栄光を。奇跡のドンデン返しを。
スポンサーサイト
  • @

Appendix

井上オークスの著書

プロフィール

井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

月別アーカイブ

検索フォーム

上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。