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みちのく岩手のお祭り娘

レディースジョッキーズシリーズ2006
荒尾で彼女に火がついた


 ぶっちぎりで逃げ切った彼女が、1着の枠場に入ってくる。デジカメを構えていると、レンズに向かって笑顔が炸裂した。その天真爛漫な笑顔はディスプレイを突き破るほどの破壊力で、ノーガードで突っ立っていた私は、あえなくノックアウトされた。

笑顔炸裂

「やったああああああ!!」

 岩手競馬の紅一点・皆川麻由美の雄叫びが、抜けるような青空に響く。荒尾競馬場で行われた、レディースジョッキーズシリーズ2006(LJS2006)の第1ラウンド。第2レースでテイエムピュアデーにエキストラ騎乗した皆川が、アウェーの地で通算5勝目の勝ち星を挙げた。皆川のLJS2戦は共に4着で、荒尾ラウンド5位。優勝は名古屋の山本茜だった。

 第2ラウンドの朝、高知駅前で無料バスを待っていると、大荷物を抱えたふたりの女性が現れた。ギョッ。名古屋の宮下瞳と皆川ではないか! そういえば、皆川は水沢で若手騎手限定戦・シルバーステッキ賞を勝ったばかり。皆川さん、おめでとう!

「ありがとうございます! 初めて特別を勝ったんですよ。もう嬉しくて、号泣でした~!」

 無邪気に喜ぶ皆川を、宮下があたたかく見つめていた。

 高知ラウンドの皆川の成績は、1戦目8着。2戦目2着。2戦目の1着が宮下で、無料バス馬券を取り損ねた私が地団太を踏んだのはさておき、7番人気の馬を2着に持ってきた皆川の騎乗が光った。高知ラウンド優勝は地元・高知の別府真衣。皆川はまたしてもラウンド5位であった。

 荒尾と高知が終わった時点で総合トップに立ったのは別府で、僅差で山本が追う展開。そして3番手が皆川。彼女のキャラクター的に、「ちゃっかり3位につけていた」という表現が思い浮かんでしまう(ごめん)。

 そして迎えたラストの名古屋ラウンド。地元の山本が逃げて1着、差して1着というパーフェクトな騎乗でLJS初代女王に輝いた。一方、皆川は2戦とも怒涛の追い込みで魅せた。3着、2着で名古屋ラウンド2位、総合3位に食い込んだのだ。快挙!

「ホントに嬉しいです! 6戦して1回しか着を外してないってすごくないですか(笑)? もう、荒尾で逃げ切り勝ちしてから運気が上がりっぱなしですよ!」

 皆川はそういってワハハと笑った。荒尾でめざめた彼女が、天衣無縫な明るさを武器に飛躍しようとしている。春が待ち遠しい。(文中敬称略)

******************

わけあってお蔵入りした原稿をアップした。
先日、荒尾競馬は廃止された。
高知の無料バスは、重賞やイベント時を除いて休止中。
岩手のお祭り娘・皆川麻由美騎手は、1月9日をもって引退する。
彼女の笑顔は、たぶんずっと変わらない。
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プロフィール

井上オークス

  • Author:井上オークス
  • 旅打ち競馬ライター。
    佐賀生まれ、愛媛育ち、京都在住。

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